インクルーシブな空間デザイン

バリアをなくすことから、体験をつくることへ。

バリアフリー基準への対応にとどまらず、誰がどのように関わり、何を体験できるかを起点に空間のあり方を見直します。改修・新設の上流から、環境・情報・運用をあわせて捉え直すことで、より多くの人が自分らしく関われる空間体験をつくります。


対象とスコープ

ミュージアム・公共空間・商業施設・企業オフィスなど、人が集まり、体験が生まれる空間を対象にしています。建物・展示・案内情報・運用のあり方まで含めて、インクルーシブな空間体験の設計に関わります。

改修・新設の上流からの関与が得意領域ですが、既存の空間の見直しや、特定の課題(案内情報の整理、バリアフリーマップの設計など)への対応も可能です。

建築・施工そのものはCollableの対象外ですが、設計段階での提言や、施工会社・デザイン会社との連携には積極的に関わります。

設計・施工など、プロジェクトに必要な専門パートナーとの連携も可能です。
連携パートナーについて詳しく見る


よく寄せられるご相談

  • 改修・新設の前に、あらゆる人たちの使われ方やアクセス、届けたい価値を整理したい
  • バリアフリー対応はしているが、実際に使いにくいという声が届いている
  • 個別対応に追われていて、空間や環境そのものを見直す余裕がない
  • 当事者や多様な利用者の視点を取り入れたいが、どう関わってもらうか設計できていない
  • バリアフリーマップや案内情報など、空間のアクセシビリティを高めたい

提供内容と成果物

リサーチ・現状把握

空間の使われ方や体験の実態を、多様なリードユーザーとともに調査します。「伝わっているつもり」「使えているつもり」のズレを可視化し、設計に活かせる知見に整えます。

→ 現状調査レポート、リードユーザーインサイト、論点整理

ワークショップ設計・運営

リードユーザー・職員・設計担当者が共に考える共創の場を設計・進行します。当事者の視点から気づきを引き出し、それを空間体験や設計、展示改善のアイデアに変換するプロセスを伴走します。リードユーザーのコーディネーションも対応可能です。

→ ワークショップ設計・進行、気づきの可視化・記録、アイデア整理

コンセプト・方針づくり

ワークショップや調査で得た知見をもとに、インクルーシブな空間のコンセプトや運用方針を整えます。単発の改修で終わらせず、組織が継続的に更新できる土台をつくります。

→ インクルーシブデザインコンセプト、空間設計への提言、運用ガイドライン

提供内容と成果物の構成は、プロジェクトの範囲や段階によって変わります。どこから始めるかは、初回のヒアリングで一緒に整理します。


進め方

プロジェクトの目的や段階によって、どこから始めるか、どのように始めるかは変わります。以下がよくある流れです。

  1. 目的と対象の合意 何のために、どの空間を、どの段階から見直すかを整理します。
  2. 現状把握 空間の使われ方・利用者像・改修の制約・既存の取り組みを確認します。
  3. リードユーザーの選定・コーディネーション 目的に合った当事者・多様な利用者を選定し、参画の条件を設計します。
  4. ワークショップ・調査の実施 リードユーザーと職員・設計担当者が共に考える場を運営します。
  5. 知見の整理・提言 気づきとアイデアを、設計や運用に活かせる形に整えます。
  6. コンセプト・方針づくり インクルーシブな空間のコンセプトや運用方針を策定します。
  7. 継続的な更新の設計 単発で終わらせず、組織が自走できる仕組みをつくります。

すべてのステップを通して関わることも、特定のフェーズからの参加も可能です。


転びやすいポイントと対策

当事者に「確認してもらう」だけで終わってしまう

「障害のある方に確認してもらう」という発想のまま進めると、当事者が評価者になり、共に考える機会づくりが難しくなります。リードユーザーが職員や設計担当者と対等に対話できる場の設計が必要です。

ワークショップが単発で終わり、組織に根づかない

一度の気づきでプロジェクトが進んでも、次の更新や新しい展示の際に引き継がれない例は多々あります。ワークショップをすることを目的化せず、ワークショップの設計段階から、継続できる仕組みを意識してプロジェクト化することが重要です。

「バリアフリー基準を満たす」が目標になってしまう

基準への対応と、実際の体験の質は別の問題です。基準を満たしても「伝わらない」「使いにくい」が残ることがあります。体験の実態を起点に置くことを大切にしています。

リードユーザーの選定が「呼びやすい人」に偏る

地域や属性の多様性を意識しないと、特定の声だけが反映されます。目的に合ったリードユーザーの選定と、地域でのコーディネーション伴走まで含めてデザインします。


事例

主な実績
徳島県立博物館、鳥取県(青谷かみじち史跡公園施設)、コジマ子どもサイエンスパーク(栃木県子ども総合科学館)、神奈川県立生命の星・地球博物館、佐賀県立宇宙科学館 ゆめぎんが、浜松科学館、岩宿博物館(群馬県みどり市)、福井県立歴史博物館、ちひろ美術館・東京など

徳島県立博物館

日本で初めてインクルーシブデザインを用いて博物館常設展をリニューアル。多様なリードユーザーと職員・設計担当者が共に考えるワークショップを2年にわたって実施し、展示方法・解説・多言語対応の改善につなげました。
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浜松科学館

常設展リニューアルに向けたワークショップの設計・運営に加え、組織内でインクルーシブなコンセプトを育てるための対話の場づくりを伴走。単発で終わらせず、持続的な取り組みにつなげることを意識した事例です。
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ご相談にあたって

詳しい要件が固まっていなくても大丈夫です。まずは以下をお聞かせください。

  • 現状の課題や背景(なぜ今、このテーマに取り組もうとしているか)
  • 予算感
  • 図面・館内マップ(あれば)
  • 利用者データ(あれば)
  • 関連資料(仕様書・プロポーザル提案書など、ある場合)

料金・期間の目安

プロジェクトの対象範囲・リードユーザーの規模・ワークショップ回数・合意形成の複雑さによって変わります。目安についてはデザインリサーチ&コンサルティングのページをご参照ください。

公共施設・ミュージアムの場合、予算規模や発注体制によって関わり方を調整できる場合があります。まずはご相談ください。


よくある質問

リニューアルの計画がまだ具体的でない段階でも相談できますか?

むしろ、具体的でない段階こそ大歓迎です。設計がある程度固まってからインクルーシブデザインを導入しようとすると、動線や展示方法の問題が見つかっても修正が難しくなります。コンセプトを考える上流の段階から取り組むことで、より本質的な設計につながります。

設計会社や施工会社がすでに決まっている場合でも依頼できますか?

可能です。設計会社・施工会社・運営者、関係者全員で共に考えられる場をつくり、共通言語や気づき共有がされることを大切にしています。下請けとしての関与ではなく、プロジェクト全体に関わる立場でご一緒させてください。

地方の施設ですが、対応できますか?

大歓迎です。Collableの実績の多くは地方の公共施設・ミュージアムです。全国対応可能ですのでご相談ください。

リードユーザーは自分たちで探す必要がありますか?

地方の公共施設の場合は、施設側でのコーディネーションを推奨しています。プロジェクトを通じて出会ったリードユーザーが、その後も施設と長くお付き合いできる関係になることが、継続的なアクセシビリティ向上につながるからです。コーディネーションのプロセスはCollableが伴走します。都心の商業施設など状況によっては、CollableがコーディネーションをサポートしたりCollableの認定リードユーザーが協力したりすることも可能です。

ワークショップだけ依頼することはできますか?

ワークショップ単体での依頼はお勧めしていません。ただし、インクルーシブデザインを組織内で共有するための体験の機会として活用いただく場合は可能です。「まだリニューアルの予定はないが、館内でインクルーシブデザインの重要性を共有したい」「次の改修に向けたエビデンスをつくりたい」といった目的があれば、ぜひご相談ください。

これから新設する施設ですが、既存の建物がないため調査が難しいと思っています。対応できますか?

可能です。既存の建物がなくても、別の施設や周辺環境を活用してリードユーザーとともに体験を探ることができます。ミュージアムであれば類似施設をお借りして巡ったり、公共施設であれば代替施設を活用したりといった形で、ゼロから設計に活かせる知見を得ることができます。コンセプト生成の段階からインクルーシブデザインを導入することを特に推奨しています。

予算があまりないのですが、相談できますか?

担当者の思いや目的によっては、予算規模に合わせた関わり方を一緒に考えることができます。ただし、インクルーシブデザインは専門性を持つ人材のコーディネーションや設計が伴うものであり、成果につながる最低限の予算が必要です。「何ができるか」ではなく「何のためにやるか」を起点にご相談ください。