キュレーター育成プログラム

インクルーシブデザイン|育成プログラム

インクルーシブデザインとは?

特別なニーズのある人に、デザインの初期段階から参加してもらうことで、多様な視点を手がかりに、より包括的なデザインを模索する、デザインの考え方と手法です。

高齢者や障害のある人などは、これまでデザインのメインターゲットとして考えられにくい存在でした。しかし、インクルーシブデザインはそうしたマイノリティの人たちの眼差しこそ、創造性を引き出すヒントを得てくれると考えます。だからこそ彼らをデザインパートナーとして迎え、「ともに」デザインをすることを目指します。

ともにデザインを考えるパートナーになるマイノリティの人たちをリードユーザーと呼ぶことが多いです。これは「気づきをリードしてくれる存在」という意味をもちます。そして、単なるヒアリングでデザインを行わないように、ワークショップ形式でデザインを検討する点も特筆すべき特徴です。

インクルーシブ(Inclusive)とは、日本語で「包摂」という意味を持ちます。そういう意味でも、インクルーシブデザインのポイントは、個別のニーズに応えることではなく、個別のニーズから多様な視点を得た上で、包括的なデザインを目指すことです。そしてそのデザインプロセスこそ、価値があることも重要なポイントと言えるでしょう。

インクルーシブデザインは、デザインを生み出す手法として注目されていますが、Collableでは、多様なひとを巻き込むワークショップやプロジェクトを通じて、コミュニティを生み出す価値があると考えています。そのため、その場で心地よく楽しく過ごすための「態度」や「考え方」も大切であり、多様な人が集う場におけるコミュニティデザインの手法でもあると考えています。

インクルーシブデザイナーとは?

インクルーシブデザイナーとは、ワークショップ等の手段を用いて、遊びと創造の居場所づくりの企画と運営を行う人たちのことを指しています。全てのCollableの企画は、このインクルーシブデザイナーによって企画・運営されます。Collableでは、多くの人に場づくりの機会を提供するべく、キュレーターとしての企画・運営のノウハウを学び、実践する機会を提供しています。

ただワークショップの企画ができるというだけには留まりません。多様なステークホルダーを包摂するためのファシリテーションと集団に対するケアの姿勢も求められます。そして日々の現場からの知見も大切に積み重ねる探究家でもあります。

また、企画づくりを通して、全ての人々の得意が発揮される居場所づくりを広げ、多様な人とのつながりが当たり前になるための価値観や考え方を広げる担い手でもあります。企業の障害者雇用の担当者や、児童施設等の職員・ボランティア向け人材育成としてもご活用いただけます。詳細については下記をご覧の上、こちらよりお気軽にお問い合わせください。

 

インクルーシブデザイナーになるためには?

Collableの育成プログラムを修了し、数回の企画運営を経験した後、Collableの企画の運営を数回担った後になることができます。必修プログラム(ゲストトークや講座)と実践プログラムを組み合わせて、講座修了となります。育成プログラムの内容は下記のとおりです。

現在は講座の募集はありません。

 

0)エントリー

・応募の際は「エントリーシート」を提出していただきます。提出されたエントリーシートをもとに養成チームで審査、選考を行います。

1)ワークショップ体験

個々の違いを楽しみつつ、自己紹介を兼ねて親睦を深めるようなワークショップや演劇ワークショップを体験してもらいます。

2)輪読&ワークショップ分析

本プログラムでの課題図書は2つあり、期日までに指定箇所を読んでもらっています。

1つは『ワークショップデザイン論: 創ることで学ぶ』(山内祐平、森玲奈、安斎勇樹著)。本書を読み、これまで体験したワークショップの構造を分析します。

もう1つは『限界芸術論』(鶴見俊輔著)。様々な活動を純粋芸術、大衆芸術、限界芸術に分類し、芸術と生活との境界線にある「限界芸術」をワークショップの中でどう組み込んでいくのかを考えます。遊びとは何か、表現するとは何か、それを身近にするものは何か…「創ることで学ぶ」ための「創ること」を重点的に考えます。

3)ワークショップ企画&プレ実践&企画準備

インプットとアウトプットを経て、実際に3,4人グループになり、自分たちでワークショップを企画します。基本的には講座の時間以外でグループで時間をとって議論し、企画案を検討してもらいます。講座では2日間(1日3時間)とり、企画内容に対して、柏木さんと山田からフィードバックをしたり、実際に企画が詰まって来たら、プレ実践を行ってフィードバックをもらいます。平行して広報準備もチームメンバー主導で行います。『ワークショップデザイン論』を参考に、企画があるのは参加してくれる人がいるから。企画のコンセプトが広報段階で伝わっているのかも自ら考えてもらいます。

4)実践本番!

講座の山場!実際にワークショップを運営し、終了後もその日のうちに振り返りを行います。

5)振り返り発表会

実際に企画したワークショップの工夫や効果や反省点などを発表し、キュレーター認定を得ることができます。

6)その後は…?

Collableとして企画を担っていくキュレーターとして活躍しています。また、キュレーター向けの勉強会や公開研究会も行いながら、スキルアップをしています。実際にその経験を外で生かして活躍する修了生もいます。

講師

柏木陽(かしわぎあきら)NPO法人演劇百貨店代表理事/演劇家<//strong>


1993年、演劇集団「NOISE」に参加し、演出家・劇作家の故・如月小春とともに活動。2003年にNPO法人演劇百貨店を設立し、代表理事に就任。全国各地の劇場・児童館・美術館・学校などで、子どもたちとともに独自の演劇空間を作り出している。近年の主な仕事に、世田谷パブリックシアターかなりゴキゲンな巡回団年間契約アーティスト、兵庫県立こどもの館での中高生との野外移動劇創作、の演出・進行など多数。近年は青山学院大学でのワークショップデザイナー育成プログラム、青山学院女子短期大学、大月短期大学、和光大学の講師なども務める。